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教育は世界市民を促進し、持続可能な開発目標を成功に導く

【国連IDN=タランガ・ヤクピティヤジ】

国連は創設以来、人間を中心にした開発に焦点を当ててきた。このことは、最近採択され、「誰も取り残さない」ことを謳った持続可能な開発目標(SDGs)にも表れている。しかし、これらの目標はどのようにしたら達成できるのだろうか?

この問いかけは「次世代の世界市民」に焦点を当てた「国連アカデミック・インパクト」(UNAI)5周年を記念して11月10日に行われたイベントでも提起された。

高等教育機関と国連のグローバル・パートナーシップであるUNAIは、全ての人々の福祉実現に尽力する、包摂的で統合的なコミュニティを創るうえでの世界市民のモデルを強調している。

「たんなるアイディアとして始まったものが、いまや、120ヶ国以上の1000以上の大学・研究機関が参加した確固たるネットワークになりました。これらの加盟団体が取組んでいる研究分野を合わせると、国際的な課題のあらゆる問題を網羅しています。」と、潘基文国連事務総長(室長のスザーナ・マルコッラが代読)は語った。

ELS教育サービス」の会長・CEOのマーク・ハリス氏は、このイベントのテーマについて議論する中で、「世界市民は、自らを世界・コミュニティの一員とみなす一つの方法であり、共有された知的・社会的責任として描かれてきたような考え方です。」と語った。

ハリス氏と参加者らは、とりわけ世界市民性を涵養するうえでの教育の重要な役割に焦点を当てた。「教育は、文化横断的な理解を確立し、対話を生み、グローバルな問題に対応するための本質的に人間的な価値と問題解決スキルを提供するものです。」と、参加者らは論じた。

「より多くの人を教育し、より良く教育することは、社会がなしうる最善の投資です。」と、ニューヨーク大学のナンシー・ジンファー学長は基調講演で語った。

こうした見解は、5月21日の「アカデミック・インパクト・フォーラム」の開会にあたって潘事務総長も述べたところである。同フォーラムでは、「韓国UNAI支援協会」も立ち上げられた。潘事務総長は、若者を世界市民に変えていく教育の重要性を強調した。

「教育者には、世界市民になること、或いは、将来のリーダーになることの重要さを若者に教えるという大切な役割があります。教育を受けた若者達こそが、世界各地の脅威に打ち勝つための最大の希望なのです。」と潘事務総長は語った。

「アカデミック・インパクト・フォーラム」の少し前、韓国で開催された「世界教育フォーラム」に参加した160か国は、「教育2030」:すべての人に包摂的かつ衡平な質の高い教育と生涯学習を」と題する「インチョン宣言」を採択した。

9月後半に承認されたSDGsは教育への強いコミットメントを含んでおり、それはインチョン宣言にも反映されている。

UNAIの5周年イベントでは、ロックフェラー研究所所長の主任秘書官であるロバート・バロック氏が、SDGsにおける若者の役割に焦点を当てた。「政策決定者がこのグローバル開発目標を知っているだけでは、国連はそれを達成できません。」とバロック氏は語った。

ミレニアム開発目標の最終報告書によると、「初等教育の通学率上昇や、学校でのジェンダーギャップの減少など、大きな成果が見られた。」としている。

しかし、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の最新の推定によると、国際社会は依然として普遍的教育の提供に向けて苦しい闘いを続けているという。

ユネスコは、「小学校に通う年齢の子ども約6000万人(イタリアの人口に相当)が学校に行けずにいる」としている。そのうち、半分以上が女児で、43%は一度も学校に行ったことがないという。

国連経済・社会問題局(UN DESA)によれば、中等・高等教育へのアクセスも、特に女児・女性にとっては限定的であり、グローバル・コミュニティへの参加能力を阻害しているという。

ユネスコは、紛争や強制的立ち退きのために、教育がさらに利用不能なものになっていることに注意を向けている。

紛争国のおよそ3400万人の児童・生徒が学校に通っていない。ナイジェリアだけでも1050万人の子供たちが学校に通っていないが、これは世界でも最大の非登校率である。そのほとんどが、同国北部の紛争に影響を受けた人々である。

強制的な移住を余儀なくされた世界の人々のほぼ半数が子どもであり、そうした子どもたちの多くにとっては、教室で学ぶことは夢のまた夢だ。

難民や移住を余儀なくされた子どもにとっての教育機会の欠如は、単に状況の複雑さによるのではなく、無視と資金不足の結果でもある。2014年、人道支援資金の1.7%以下しか、教育に利用されていない。

パキスタンの教育活動家マララ・ユスフザイ氏は、7月の「オスロ開発教育サミット」でこの問題に触れ、「(世界では)390億ドルの軍事支出がわずか8日間でなされています。もし世界の指導者が、わずか1週間と1日だけ戦争や軍事活動をやめてくれれば、すべての子どもを学校に通わせることができるのです。」と発言した。

同サミットに登壇した潘事務総長は、朝鮮戦争から逃れユネスコから教科書をもらった個人的経験に触れながら、教育が社会で果たす大きな役割について語った。

「教育は数学や読み方を教える以上のものでした。教育は、世界連帯の意味を教えてくれました。」「すべての子どもを学校に通わせ、質の良い学びを提供し、世界市民性を涵養すれば、私たちの未来を変えることができるのです。」と潘事務総長は、世界の指導者らに語りかけた。

教育の重要性と世界市民の創出に対する意識は高まってきている。

今年の「世界市民フェスティバル」は、ビヨンセのような有名人やそのファン数千人をニューヨークに集めただけではなく、世界の主要な課題に対する意識を若者の間で高め、活動を促した。

「立ち止まってはいけない。引き下がってはいけない。立ち上がれ。正義のために立ち上がれ。尊厳のために立ち上がれ。よりよい世界のために立ち上がれ」と潘事務総長は9月にセントラルパークに集まった6万人の聴衆に呼びかけた。

こうした感覚はUNAIのイベントでも見られた。「持続可能な開発問題解決ネットワーク」(SDSN)の教育キャンペーン責任者チャンドリカ・バハドゥール氏は「SDGsが成功するも失敗するも、それはあなたがた学生次第だ。」と語りかけている。

世界の開発問題すべてを教育だけで解決できるわけではないが、UNAIの5周年イベントの参加者らは、教育への人間的、全体的アプローチが、SDGsで提示されたような、持続可能で、包摂的で、応答責任を果たすグローバル・コミュニティづくりに貢献できるという点で一致している。(11.13.2015) IPS Japan/ IDN InDepth News