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世界市民教育は平和な社会づくりを目指す若者の取組みを支える

【国連IDN=カニャ・ダルメイダ】

今年半ばまでに10歳から24歳の若者の数は18億人(全人類は72.8億人)となり、人類史上最大規模となっている。

国連によれば、この層の大部分は「南」の国々に住んでいる。世界の後発開発途上国48か国で、児童・青年が人口の最大の部分を占めている。

しかし、最近国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が招集した国際会議で様々な青年リーダーたちが指摘したように、今日の若者たちは数多くの困難に直面している。

9月10日から11日まで2日間にわたって開催された「青年平和構築者を育成するうえでの世界市民教育(GCED)の役割に関する会議」の参加者らは、紛争や汚職、気候変動は、若者が日々直面している様々な困難のごく一部に過ぎない、と語った。

また会議の参加者らは、「難民化や暴力、失業、非識字もまた、若い世代に問題を投げかけており、高次のレベルの意思決定や政策策定に若者を関与させ巻き込むように、地域・国家・国際の構造レベルで『根本的な』変革が必要」と訴えた。

次代を担う青年リーダーたち

この会議に参加した次代を担う青年リーダーたちは、潘基文国連事務総長が2012年に立ち上げた「グローバル・エデュケーション・ファースト・イニシアチブ(GEFI)」を支援すべく策定された、すべての文化や宗教、人々に対する包摂性、相互尊重、寛容を基盤とした枠組みである世界市民教育を用いて、開発や人権、平和や安全保障の分野に乗り込んでいきたいと考えている。

世界の若者たちが、暴力や紛争による影響を不釣り合いなほど多く受けていることを考えれば、若者の参加は、国連の三本柱のひとつでもある紛争の分野においても、もっとも緊急に必要とされるものである。

事務総長室の青少年問題特使のデータによれば、世界の紛争地帯に暮らす約15億人の内、実に4割を若者が占めており、武力紛争下の児童に関する国連の最近の報告書では、このところ児童が戦争の被害者になる傾向が強まっているという。

シリアやアフガニスタン、イラクのような長期化した紛争を含め、継続中の政治的、経済的、環境的危機によって、数多くの若者が故郷を追われている。2011年には、1400万人の若者が戦争や自然災害のために難民になることを余儀なくされている。

 

国連麻薬犯罪事務所(UNODC)発行の「殺人率に関する世界的調査」によると、15歳から19歳の男子が銃火器による殺人に最も脆弱であり、武力紛争下にある社会で暮らしている若い女性や女児は、パートナーによって殺害される「高いリスク」があるという結果が出ている。

世界の殺人被害者の43%は15歳から29歳の年齢層であり、南北アメリカの若い男性の殺人被害者は、世界全体の実に7分の1を占めている。

「こうした現実があるにも関わらず、青年には発言権が与えられていません。」と会議に参加した青年リーダーらは語った。

潘基文国連事務総長によって初の青少年問題特使に任命されたアフマド・アルヘンダウィ氏は、国連本部で先月開催されたこの会議で演説し、「平和と安全」の領域は伝統的に、専門家や外交官、政治家だけに開かれた排他的なクラブでのみ取り扱われてきた現実を嘆いた。

「世界中で火の手が上がっており、若者たちはこの火で焼かれています。戦争によって影響を受けた若者を、平和をもたらす議論に関わらせるべきです。」とアルヘンダウィ氏は語った。

アルヘンダウィ特使は、ヨルダンで最近開催された「若者、平和、安全に関するグローバルフォーラム」での議論を振り返って、世界中の約1万1000人の若者の声を取り入れた野心的な文書である「アンマン青年宣言」で打ち出された行動計画に着目するよう呼びかけた。

グローバルな政策枠組みを確立する

アンマン青年宣言の中で、国際社会に対する提案で主なものは、紛争、および、2017年までの紛争後のシナリオにおける、青年の「具体的なニーズや資産、能力、多様なアイデンティティ」の問題に対処するグローバルな政策枠組みの確立である。

同宣言はまた、国連安保理に対して、「青年、平和、安全」に関する決議を可決するよう求める一方で、ジェンダー平等や社会経済的エンパワメントなど、青年層が抱いている特定の関心事項の他の領域に焦点を当てている。

実際、若い女性は、ジェンダーに関連した暴力やリプロダクティブヘルスに関連したリスクにさらされやすく、男性よりも倍の負担に直面している。

女性難民委員会」によると、1986年以降に紛争を経験した51か国の全てにおいて、若い女性に対する性的暴力が高いレベルで起こったという。

国連は、妊娠や出産に伴う問題が「途上国における若い女性の死亡原因の2番手になっており」、毎年数万人がなくなっている、としている。

毎年、途上国では、18歳未満の少女20万人が毎日出産している。

また現在の傾向が続くならば、現在から2030年までの間に、15歳から19歳の女性の実に1500万人が女性性器切除を強いられることになるだろう。

また10月13日に発表されたある調査報告書によると、とりわけ若年層は労働力から排除されやすいという結果が出ている。

「若年層雇用の解決に向けて」と題された報告書は、若年層は世界の失業人口の4割を占め、成人よりも4倍の確率で失業状態に陥る可能性があるという。

しかし、会議に参加した青年リーダーらは、若年層をこうした状況の被害者とばかり見ることの問題点を指摘した。

「並外れたことを成し遂げている普通の青年はたくさんいます。」「むしろ問題なのは、若年層を排除し、青年たちの声を聴かないようになかば意図的に作られている、国連組織を含めた社会・組織構造のほうです。」と、西アフリカのシエラレオネ生まれで、GEFI青年グループの議長であるチェノール・バー氏がパネルディスカッションの中で語った。

学校へ

バー議長は、マララ・ユスフザイ氏の勇気ある行動が世界に及ぼす波及効果について繰り返し言及しながら「#UpForSchool」のような活動の成功例を紹介した。これは、現在、86か国以上で500人の青年大使を誇る運動で、学校に通えない世界の5600万人を教室に戻すことを目的とした請願書に600万以上の署名を集めている。

バー議長は、「私たちには、若い人々を巻き込み、勇気ある行動をみんなで評価するような根本的なパラダイム・シフトが必要です。」「毎日のように、マララさんのような数多くの若者たちが、しばしば他人から見過されながらも断固とした行動を通じて、自らの権利のために立ちあがっているのです。」と語った。

政策決定のつながりの中に若者を巻き込む取組みを下支えするものは、世界市民教育(GCED)概念である。21世紀のあらたな種類のリテラシーを育てることを目的としている。

韓国のハン ジョンヒ国連代表部次席大使は、現在、新たな「持続可能な開発目標」に取り込まれた世界市民教育は、自分自身の他者との関係、地球との関係について考えるツールとして見なければなりません。」と語った。

破壊的な気候変動の差し迫る危機は言うまでもなく、世界がこれまで経験したことのないような政治的、経済的、技術的大変革の中に生きる今日の青年たちにとって、世界市民教育はオプションではなく、必要不可欠のものだ。(10.23.2015) IPS Japan/ IDN InDepth News