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世界の市民よ、団結しよう!

【国連IPS=ロジャー・ハミルトン・マーチン】

>政治、経済、紛争、文化が益々相互に関連を持つようになるなか、個人のアイデンティティーも国境を超えるようになるだろうか?

ニューヨーク市の国連スリランカ政府代表部で11月18日に開催された「地球市民に関するIPSフォーラム」において、パリサ・コホナ国連大使は「地球市民」の捉えどころのない特性について言及した。

地球市民の概念は、その正確な定義は具体化したことがないものの、かなり長きにわたって議論の対象になってきました。」とコホナ大使は語った。

この考え方は英国のトニー・ブレア首相が1999年にシカゴで行った演説における次のような発言が良く知られている。「私たちは今や好むと好まざるとにかかわらず皆が国際人なのです。私たちはもし成功したいならば世界市場に参加することを拒否できません。また私たちが革新を望むなら諸外国における新たな政治思想を無視できません。」とブレア首相は語った。

コホナ大使は、「ウェストファリア体制から生み出された帝国が崩壊した後も、国民国家の発展が、真のグローバル体制の発展を促すことはありませんでした。」と指摘したうえで、世界市民の原則を掲げる機関として国連の重要性を強調した。

「国連の設立によって、人類は共通の問題にグローバルな視点から共に取り組むために努力する公開討論の場(フォーラム)を得ました。国連は全ての国民国家が利用できる最も効果的なフォーラムなのです。国連及びその関連諸機関は、今日直面している多くの諸課題に加盟国が協力して臨んでいくことの有用性に共感を生むことに成功しています。」

このフォーラムは、1999年の国連総会決議「平和の文化に関する国連宣言及び行動計画」の採択に際して中心的な役割を果たした元バングラデシュ政府国連常駐代表のアンワルル・K・チョウドリ大使が議長を務めた。

「世界市民についてお話しする際、ある考えが思い浮かびます。まず最初に理解すべきことは精神性(スピリチュアリティー)、つまり、私たちの価値観や人間としてのコミットメントが何なのかということです。そして2つ目は、人類は一つであるとする信念です。私たちは自分自身やコミュニティーの狭い境界から飛び出さなければなりません。」とチョウドリ大使は語った。

様々な困難はあるものの、パネリストの多くは、世界市民を推進する動きは文明の衝突や資源の減少、異文化に対する不信が広がっているとされる逆風の中にあっても、前進している、という点で見解を同じくした。

IPS理事長のウォルター・リッヒェム大使は、「ウィーン会議で多国間外交が始まってからおよそ200年が経過し、私たちは、多国間外交が次第にグローバルガバナンスに取って代わられているのを感じています。」と指摘した。

リッヒェム大使は、「世界市民は『保護する責任(国民の保護に関して、最終的な責任の所在を国民国家ではなく国際社会に置く原理)』等の規範を支持する思想体系の文脈から理解する必要があります。」と語った。

またリッヒェム大使は、「世界市民は、人権尊重を人生の基調とする市民と理解すべきです。」と語った。

潘基文国連事務総長は、2年前に立ち上げた運動『グローバル・エデュケーション・ファースト』の中で、『地球市民の育成』を3つ目の柱に掲げており、生徒が自国で試験に合格したり就職したりする方策を単に学ぶのではなく、文化、国、地域を越えて尊敬や責任の重要さを理解する点を重要視している。

「世界市民とは、誤解や、純然たる事実を無視したり、ひどい場合は操作したりする行為との戦いです。」と国連特派員協会のエロール・アブドヴィッチ副会長は語った。

国連「文明の同盟」(UNAOC)>のナシル・アブドゥルアジズ・アルナセル上級代表のニハール・サード広報官は、「世界市民教育には、持続可能な未来とより良い世界を形作る力があります。」と指摘したうえで、教育政策は、平和や相互尊重、そして環境に配慮する資質を育むことに焦点を置くべきです。単に読み書きと計算ができる個人を育成するだけの教育では、十分とは言えません。教育は人生に共通の価値観をもたらすべきですし、そうしなければなりません。」と語った。

アメリカSGI>のモンテ・ジョフィ氏もサード女史の意見に賛同し、「米国の教育カリキュラムは、生徒達が『他者に』共感できる資質を育めるよう、グローバルな分野の話題をもっと多く取り入れる必要があります。」と指摘するとともに、「しかしそれが今日の教育危機の核心部分に触れるものではありません。米国の教育についてのみ言えば、教育基金の不平等や、あまりにも多くのコミュニティーにおいて絶望や失意の感情が広がっているというのが厳しい現実であり、世界市民に関する教育を、従来のカリキュラムに追加するだけでは、解決策にはなりません。」と語った・

ジョフィ氏は、インドビハール州のパトナーで、「スーパー30」という教育プログラムを実施していることで著名な数学者のアナンド・クマール氏について語った。このプログラムは、恵まれない家庭出身の若者たち30名を集め、技術大学として世界的に著名なインド工科大学(IIT)への全員合格を目指して一年間に亘って教材・宿泊費を負担して猛特訓するもので、大成功を収めている。

ジョフィ氏は、「このプログラムは世界市民教育の素晴らしいモデルになります。」と指摘したうえで、「教師は、『目の前の生徒達とともに、ここから直ちに始めます。』と言うべきでしょう。」と指摘した。

国連広報局アウトリーチ課のラム・ダモダラン氏もまた、教師の声が国連に反映されるよう、より多くの機会が与えられることが重要だと語った。(11.29.2014) IPS Japan